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Redline【気象系BL】

第13章 シュレーディンガーの猫〈O×S〉


~N.




気づいてしまった、上二人の事情。何度も記憶から
消そうとしたが、思えば思うほど強く残っていく。
大野さんも翔さんも、本人たちは気づいてないけど、
お互いがお互いで好きの度合いが違う。
「はぁ〜…めんどくさい事になってる…」
一応、好き同士ではある。これは確実。しかしその
度合い、と言うか…比率が可笑しいんだ。
そうでしょう?だって大野さんは"手元に置きたい"
翔さんは"自身の証明"で。
お互いの意図がまるで違う。

「ニノ、何唸ってんの?」
呑気にケラケラ笑う、目の前の奴。そのふにゃふにゃ
したファン受けする笑顔の下に、どんだけの有象無象
とした感情があるのかは、まさに神のみぞ知る。ってやつだ。
「大した事じゃありません。ゲームのことで」
「またゲーム?飽きないねぇ?」
「俺は好きでやってるからね。」
「そ?俺も、楽しいのあるよ。教えねぇけど」
フッと一瞬。大野さんの目が黒く濁った。
「はは、遠慮します…、アンタ意外と悪趣味だから」
翔さんは、何でこんな人好きになったのだろうか。
俺からすれば疑問でしかない。


何て、楽屋で思ったけど何で。なんて事はわかりきっている。
大野さんは、翔さんに甘い。それはもうこっちが
吐きそうなほどにデロデロに甘い。
それが何をイミしているのかは知らない。その甘さに
弱いのが翔さんだ。カメラの前じゃこんなに甘くない
から、反動で心がうたれるのだろう。………でも楽屋で
やるのは勘弁してほしい、ほんとまじで。
「家でやれや、甘やかしおじさん」
携帯画面を見つめたまま、向かいに座る大野さんの
足を蹴れば、文句が帰ってくる。

「んな甘やかしてねぇよ…、ね?しょーくん」
「え?うん、ごめんなニノ、」
そうやって、翔さんを使って俺らを言いくるめる。
わっるい笑顔を翔さんの後ろでうかべてるそいつは
悪魔みたいにも見えた。
でも実際…悪魔なのは、翔さんかな、何て思う。
浮気の方はバレてないと思ってるのかな、何てらしくない事を
考える。
本人にやめさせようと思っても、後ろにいる奴が
それを許してくれない。
「はぁ〜、見かけによらずってやつ、?こわぁ」

思わず呟いたけど、誰にも聞こえてなかったみたい。






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