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イチイ

第9章 第8章 遊園地


「それは、よかった」
 
 とだけ言った。
 
「ね、朝比奈さん。おれと友達になっ
てよ」
 
「そういうのって頼んでなるようなも
のじゃないと思うが……」
 
「頼まないと、あんたもなってくれな
いだろ。───今だっておれがこわく
て逃げ出したいくせに」
 
 図星をつかれて、目を逸らした。
 
 誤魔化すように、話を変える。
 
「あんたもって……他の人にも断られ
たのか?」
 
「いや、そもそも頼まないよ。おれは
みんなから嫌われてるからねえ」
 
 何やらしみじみとした口調である。
 
「で、返答は? 友達になってくれん
の? くれないの?」
 
「まぁ、別に断る理由はないし……い
いけど」
 
「いいの? #NAME#2さんとか怒る
んじゃない?」
 
 翼のことを訊いた時の桃花の
様子を思い出して、
 
「怒るな……。でも、ばれなきゃ大丈
夫だろ」
 
「確かに。じゃあ、返事ははいでいい
んだね?」
 
「あぁ。……連絡先交換するか?」
 
「するする」
 
 連絡先を交換すると、翼は嬉しそう
に笑った。
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