第3章 練習試合
試合が始まると翔陽は緊張でぐだぐだだった。大地先輩が取るはずのボールととったり、龍とぶつかったり、躓いたり・・・・・。
あっという間に青城のマッチポイントになってしまった。
そして回ってきた翔陽のサーブ。
笛の音にビックリするように翔陽はサーブを打つ。
手にちゃんと当たらずボールは・・・・・
バチコーン!!!
という音とともに飛雄の後頭部に直撃。
やばい。飛雄が・・・・・キレる!
「ま、待て影山!気持ちはわかるが抑えるんだ!」
「・・・・・まだ何も言ってませんけど」
そこに拍車をかけるかのような龍と蛍の煽る声。
飛雄は翔陽のもとへと歩いていく。
「・・・・・お前さ一体何にビビってそんなに緊張してんの??相手がデカイこと・・・?初めての練習試合だから・・・?俺の後頭部にサーブをブチ込む以上に怖いことってー・・・なに?」
「ー・・・とくにおもいあたりません」
「じゃあもう緊張する理由はないよなあ!もうやっちまったもんなあ!一番怖いこと!」
飛雄は自分の後頭部を叩きながら翔陽に怒っている。
「・・・・・それじゃあ・・・・・」
まってまってまって!なにをするの!?
「とっとと通常運転に戻れバカヤローッ!!!」
あら?あららら?飛雄は怒ろうとしてたんじゃなくて翔陽に、喝を入れようとしてたの?飛雄もいいとこある!!
そして今度は龍が翔陽のことに行く。
今度はなにをするのやら・・・・・
「他の奴みたいに上手にやんなきゃとか思ってんのかイッチョ前に」
「・・・・・ちゃ・・・ちゃんとやんないと・・・交替・・・させられるから・・・おれ・・・最後まで・・・試合・・・出たいから・・・・・」
「ナメるなよ!!お前が下手糞なことなんかわかりきってることだろうが!わかってて入れてんだろ大地さんは!」
「交替させられた時のことはなあ交替させられた時に考えろ!!いいから余計な心配すんじゃねえ!頭の容量少ないくせに!!」
おっ!龍いいこと言ってる!
「た・・・・・助けなくて平気?」
『大丈夫ですよ!龍はこういう時すごく頼りになるんです。ここは龍に任せましょっ(ニコッ)』
武田先生に笑顔で私は答えた。