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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!

第12章 ☆Story10☆ 縮まっていく距離


「前に、お前が言ったように……過去を一番引きずっていたのは俺だった……」



「……。」



「あいつが死んだ時……本当は、信じたくない自分がいた……
あいつは、俺とゆりを残して死ぬわけないって……でも、あの日あいつは俺に言った……

お前を、ゆりを守れって……支えろって……」



「パパ……」



「不安だった……ママがいなくなって、俺らだけ残されて……これからやっていけるのかって……現に、
今のお前に、母親のあいつがいたらなって……思ったりもした……」



「……私も、ママがいなくてすごく寂しかった。
でも、パパがいて……伯父さんがいて、おじいちゃんも、おばあちゃんも……
他にもみんなが私の傍にいてくれた……何より、ママは私の夢に出てきて、励ましてくれた……
だから大丈夫だって、思ってた……」



「……。」



「けど、くるにも、千鶴にも、まなにも、なぎとらいちゃんにも……ママがいて……
私だけ、ママがいなくて……っ……私……」



ゆりは目に涙を浮かべた。



「ゆり……」



太輔はゆりの頭に手を置く。



「っ私……私……私、本当はすごく寂しかった……!
みんないるのに……私だけ……私だけ……!」




「お前には、寂しい思いばかりさせたな……」



「っ……」



ゆりは首を横に振り…



「そんなこと、ないよ……パパはいつも、一生懸命だったよ。
お仕事も忙しいのに、毎日私の相手をしてくれて……パパは、私にとってかけがえのない人だもん。
だって、私のパパは、パパしか……」



「……あぁ、」



「パパは、ママの分まで私を私を支えてくれていたことは、わかるから……」



「っゆり……」



「パパは、ちゃんとママとの約束を果たせていると思うよ……パパのおかげで、
今の私がいるんだから……(微笑)」



「っ……」



「パパ……いつも、ありがとう。
私を思ってくれて……」



「っ……ゆり……」



「普段は、滅多に会えないから言えないけど……大好きだよ……パパのこと……
たった一人の、パパだから……」



「っ……あり、がとな……(微笑)
俺も、お前が大好きだよ……たった一人の、大事な娘だ……これからも、ずっとな……」


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