第12章 ☆Story10☆　縮まっていく距離

「っそうか……」



「うん……あ、注文はしておいたから。」



「ありがとな。」



「うん……」
（三船さんと、もっとお話ししたいけど……パパともお話ししたいんだよな……
どうしよ……どっち優先しよ……）



そんなことを考えながら私は三船さんに返信をする。



『ファストフードで打ち上げって感じですか？
羨ましいです（笑）
私は、簡単にお店に行くことはできないので(⌒-⌒; )』



ちょっと本音を打ち明けてみる……



『まぁ、しょうがないだろうな。
お前、だいぶ有名みたいだしな。』



『だから、三船さんや内山さんみたいに
普通のお店でご飯食べるのとか、
すごくいいなーって思ってて』



『芸能人っていうのも、大変だな。
体調管理とかは大丈夫なのか？』




「っ……」
（心配……してくれてる……）





「お待たせしました。イタリアメニューでございます。」



「ありがとうございます。ゆり、食事が運ばれてきたからそろそろ止めなさい。」



「ぁ、うん……ちょっと待って……」



『体調管理も立派なお仕事ですから！』



『そうか、ならいい。』

『俺も、これからの大会頑張る。
お前も、頑張れよ。』



「っ……（微笑）」
（ふふ……すごく嬉しいな……）



『はい！頑張ります！p(^_^)q』



『それじゃ、そろそろこれで。
食事の邪魔になるだろうからな。』

『また、気軽にしても構わない。
返信はすぐにできるかわからないけど』



『ありがとうございます！
それじゃ、お言葉に甘えて
また連絡させていただきますね。』

『私の話に付き合ってくれて
ありがとうございました！』



「……。」
（よし、これでひと段落した……）



そのあと憲吾からは『こちらこそありがとう』と返信が届いた。



それを確認するとゆりはスマホをテーブルに置いた。



「……随分、楽しそうだったな。
藤ヶ谷くんか？」



「ううん、同じ学校の子！」
（パパには、あまり言わないようにしよ三船さんのこと……
現にパパ、なんとなく勘付いていたし……汗）



「学校の方も、充実してるようで良かったよ。
こないだ家に通知表届いたけど、だいぶ成績よかったな。」



「ありがとう！」
（親子らしい会話、久々かも……）