第4章 再開
メイクを終えて楽屋に戻ると松潤と相葉くんがいた。
「あれ?智くんとニノは?」
「ニノはメイクに行ってる。リーダーはさっきスタッフさんが呼びに来て出てったよ」
「そうなんだぁ」
なんだ…智くんと少し話したかったのにな。何か少しでも思い出す切っ掛けを見つけたいのに。
「じゃあ、俺もメイク行ってくんね」
「うん、行ってらっしゃい」
松潤が楽屋を出ていった。
「大ちゃんになにか用があったの?」
相葉くんが気に掛けてくれた。
「ううん、特に用はないんだけど…」
「そうなの?なんか残念そうだったから」
「ん~…ほら、俺全然智くんの事思い出せないじゃん?
だから智くんと、もっと話がしたいな、って思うんだけどさ、中々時間がないから」
「確かにねぇ…なんで大ちゃんの事だけ忘れちゃったんだろうね?不思議でしょうがない。
だって、何かショックな事があったからなんでしょ?
翔ちゃん、全然そんな様子見せてなかったし…
あ~、でもちょっと前から、大ちゃんの様子はおかしかったよねぇ」
「え?智くんの様子がおかしい?」
「あ、そっか。翔ちゃん、その事自体覚えてないのか」
「うん、何があったの?」
「いや、それは俺たちにもわからないんだよ…
まるで悟りを開いた僧侶みたいだね、なんて言ってたんだけど」
「なにそれ?」
「元々穏やかな人だけど、更に静かになったんだよ…
仕事も黙々とこなすと言うか…
それこそ、翔ちゃんの助けが要らないくらいだった」
「ふ~ん、そうなんだ…」