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あの日の君に 《気象系BL》

第12章 恋敵


「あっ、あっ…さ、とし、くん…」

翔のことをガンガン突き上げると、蕩けた声で俺を呼ぶ。

「智って呼べよ」

「あぁっ…さと、しっ」

ずっと気に入らなかったんだ。翔が『カズナリ』と呼ぶ事が。

俺の事をベッドの上で、しかもごく稀にしか『智』って呼ばないくせに
俺の前で『カズナリ』と呼び続ける翔に内心苛立ってた。
元恋人の名前呼んでんじゃねぇよ、って何度言いそうになったことか。

頭ではわかってんだよ、ニノの事じゃないことは。
でも気に入らないもんは気に入らないんだ。

今日はニノが居るところで『カズナリ』なんて言うもんだから、俺のイライラはマックス。

ニノはその事に気がついて、今夜俺が翔に何をするか見当がついたんだろう。

「あぁっ!さとしっ…もぉっ、だめぇっ!」

「ダメじゃねぇだろ?こんなに締め付けといて、何言ってんだ」

「ちがっ!…イった、ば、かり、だからっ!」

熱を吐き出したばかりの翔を休むことなく突き上げる。

「お、ねがっ、ヤメッ…お、かしくな、るっ…」

シーツを握りしめ、首を横に振る翔。

「ちゃんとわかった?お前が誰のモノなのか?」

「はっ、あぅっ…わか、てるっ!さと、しだけ、だからっ…さとしの、こと、しか…見てな、いからぁっ」

「俺も、翔だけだよ?愛してる、翔…」

「はぁっ…さ、とっ…好きっ…」

翔の脚を大きく押し開き、これでもか、ってくらい腰を強く打ち付けた。

「あっ、あぁっ、イっちゃぅっ!」

「イケっ、翔!」

「ああぁぁっ!さとしっ!」

翔は背中を大きく仰け反らせ、ピクピクと躰を痙攣させた後
ふっと脱力しそのままベッドに沈んだ。

俺は翔の乱れた前髪を掻きあげ、その額にキスをする。

「もう犬なんて預かるなよ?
犬が恋のライバルなんて二度とごめんだぞ?」
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