The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー
第19章 Ray -レイ-
「____お前の所為だ!
お前が狂ってるから、あいつはおかしいんだ!!」
それにお母さんの叫び声も続いた。
「__いいえ!
あの子の異常は、あなたの所為でしょ…!?」
「……。」
……うるさい。
-ドンッ!!-
-ガシャン!!-
「…あぁ…。
我慢ならない!!」
「__ねぇ、何をする気なの……!!」
-ガッシャーンッ!!-
「きゃーーーー!!!」
「っ……!?」
一際大きな音がした後、
お母さんの悲鳴が聞こえた。
私は驚いて思わず立ち上がる。
「…今日は、酷いな……。
キッチン、覗いてみようかな……。」
自分の部屋を出て、階段を下って…
キッチンへと私は進んだ。
-グチャッ-
-グチャッ…-
……そこで見たことは、
とってもよく覚えてる。
お母さんに馬乗りになったお父さんが、
何度も、何度も……
お母さんに、刃渡り数十cm程度の大きなナイフを
振り下ろしていた。
私がキッチンに入ってきたことに気づいたお父さんは、
ゆっくりと立ち上がって私を振り返った。
…お母さんはもうピクリとも動かない。
……お父さんは私を血走った目で見つめている。
「……そこで、何をしている……。」
「……。」
私は、答えられなかった。
……答える気に、なれなかった……。