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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第17章 Confirmation ー確認ー






穴の中は案外広く、
上よりも更に薄暗い……。

そして、
鼻をつく動物の……

強い獣臭が
とても気になった……。


そもそも、
上自体が地下1階だったというのに、
地下室があるというのはおかしい

と、感じるのは
私だけなのだろうか……?


そんな疑問を抱きつつ、
私は奥にへと進んで行った
ザックの後を追った。


ーグルルルルル……ー


突如、
私達の後ろの方から
低く唸るような、

獣の鳴き声が聞こえた……。


ザックが私を押し退けて、
振り返った私の前に立つ。

私の視界から見えるものは、
ザックの広い背中だけになった。


「悠……。
下がってろ……。」


ザックが私を庇う様に立って、
鎌を構えながら言った。


『ザ、ザック……。』

「あ……?

んだよ。
今更怖いのか……?」

『そ、そういうわけじゃ……。』


警戒するように身を低くしたザックの
パーカーの裾を掴んでそっと引くと、

ザックが私を振り返って静かに言った。


ザックのそんな問いかけに、
困惑したまま否定するも、

呆れたような様子のザックに
デコピンを1ついただいてしまった。


『痛……!!
な、何をするの……!?』

「だからよ。

お前のことは、俺が守ってやるっつってんだろ。
しつじのことは信用出来ても、
俺のことは信用出来ねぇってか……?

…………言ったろ。
俺は、嘘が嫌いなんだよ。

その俺が、お前を守るって言ったんだ。
お前は、大人しく守られてりゃ良いんだよ……。」


抗議する私を、
真っ直ぐに見据えて、ザックが言う。


……嗚呼。
どうして貴方は、そんなに真っ直ぐで、
純粋なの……?


それから、
ふっ…と、不敵に笑ったザックは、
私の頭を、少し乱雑に
わしゃわしゃと撫で回す。



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