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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第17章 Confirmation ー確認ー





「……んで、悠。
 どっちに行くんだ?」

『……んー……。
 どっちって、言われてもなぁ……。』


私に向き直ったザックが、私にそう訊ねてきた。
私は曖昧に言って、辺りを見回した。


階段を昇った所は、二手に分かれていて
奥に続いていた廊下には、再び階段があり、
下に降ることになる。

向かって、左に曲がる廊下には、
2つのドアがあった。


「……んじゃ、こっちに行くか……。」


ザックが左の廊下に歩を進めようと、
足を踏み出したその時……____


ーギシッ……ー

ーミシ、ミシィ……ー


「……あ?
 なんだ?

 何か、音がしたな。」


脆い床板の、軋む音がした。
ザックも、その音に気づいている。

嫌な予感がした私は、
そっとザックのパーカーの裾を引いた。


『ザック……。』

「あ?
 どうした、悠。」

『……少し、嫌な予感がするから、
 ここは、後回しにしよう……?』

「……おー。
 わかった……。」


私の様子の変化に、
ザックは少し考えるような素振りを見せたものの、
素直にそれに応じてくれた。

ザックはその廊下から身を引き、
そっと私の頭を撫でた。


『っ……。
 な、何……?』


優しい手つきに驚いて、少し戸惑った私は、
俯いて小さな声で訊ねる。


「…いや、なんか……。
 お前が、変な顔してたからよ……。」

『…………してない。』

「はっ。
 そーかよ。」


ザックの返答を不服に思い、
そう言い返すも、笑われてしまった……。



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