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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第17章 Confirmation ー確認ー





私より長身の彼を、
少し見上げるような形で見据えて、
私は彼の返答を待った。


「…………ええ。
 知っていますよ。」

『っ……‼』


長い沈黙の後、
セバスチャンが静かに言う。

動揺して小さく声を洩らした私を、
セバスチャンはじっと見つめて……
更にこう続けた。


「……ですが、
 よろしいのですか……?」

『……何、を…?』


セバスチャンは、紅茶色の瞳で、
私をじっと見つめている。

その瞳が、
何もかも知っていて……、

私を見透かしているようで……。

少し怖くなった……。


「私が、
 真相を暴いてしまっても……よろしいのですか?

 真相は、真実は……。
 もう、すぐそこに……。

 お嬢様の目前に、転がっているも同然です。

 ……どうぞ、
 お嬢様ご自身のお力で……、
 暴いてみせてください。」


セバスチャンは意味深げにそう言って、
不敵な笑みを浮かべた……。


……真相……?

を、
暴く…………?

……わからない。
それは、どういう……。


少し目線を地に伏せて考えるも、
意味がよく理解できない。

セバスチャンは、
そんな私を見て楽しむように……微笑っている……。


……こうなった時は、
何がなんでも、もう答えてはくれない。

問い詰めたところで、
無駄な時間を浪費してしまうことになるだろう。


そう判断した私は、
深く、深く……。
肺の中の空気を全て吐き出すほど深く……____

溜息を吐いた……。



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