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The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第16章 Floor B1 ー地下1階ー






思わず笑みを零したその時……____


ーコツン…ー

ーコン…コン……ー


静寂で支配されていた空間に、
何かがぶつかるような……

小さな音が響いた……。


「…………。」

「…………。」

『……せ、セバスチャン……。』


私は、そっとセバスチャンの名前を呼ぶ。
セバスチャンは私の背を、そっとさすってくれた。

それで幾らかは楽になったものの、
その場はピリリ……と緊迫した空気が漂っている。


……何故なら、
私達は、ダニー先生が生きていることを知っているからだ。

ダニー先生が、レイの目に……
あの蒼い瞳に執着していることも、
知っている……。


だからこそ、
私達は警戒しているのだ。


……私は、
ピリピリとした空気が肌に触れるのを感じた……。

……最も、
それは、ここにいる全員が、
その音を発しているのはダニー先生ではないか……
と、警戒しているからに過ぎないのだ……。


「……そういえば、ダニーの野郎が
 見つかってねぇな……。」

『あ……。
 ま、待って……ザック……‼』


ザックがスタスタと、音のする方にへと歩いていく。

私は、何だか嫌な予感が胸中を満たしたので、
もつれそうになる足を叱咤して、
慌ててザックの後を追った。

セバスチャンも、
私の後を無言で付き添い、
私を支えながらついてきてくれた。



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