• テキストサイズ

The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第14章 Floor B2 ー地下2階ー





Side of ザック


「……悠?
 ……おい、悠。」


反応の無くなってしまった悠の肩を
揺すってみようかと思ったが、
悠の穏やかな寝息が聞こえたので、
やめておいた。


「……俺も、少し寝るか。」


悠が眠ってしまって、
暇になった俺は、独り言を呟いた。

……悠を、
自分の腕の中に閉じ込めるように
背中から抱きしめると……、

悠はすっぽりと俺の中に収まった。


……なんだかんだ言ってて、
お前も細っせぇな……。


[自分の身は自分で守れる。]

[……私は、
 誰かに護ってもらうほど、弱くはないよ。]


悠の言葉が脳裏をよぎる。


悠は、
俺に護られたくねぇって言うのか……?

俺だって、
お前を護ってやりてぇのに……。


俺は弱くない。

俺は、お前を護りてぇんだよ……。


グチャグチャに掻き回されたみたいな、
気持ち悪ぃ感情を抱きながら、
俺はそんなことを考える。


……なぁ、悠。

お前の気持ちが、知りてぇ…………。



/ 373ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp