• テキストサイズ

The Anjel ー殺人鬼と悪魔に魅入られた人ー

第8章 Device ー仕掛けー





「……ううん、違うよ。
 僕は、ずっとここにいるんだ。」

『……そうなんだ。』

「……ねぇ、悠。
 僕のお姉さんになってよ‼
 僕、君みたいなお姉さん……欲しかったんだ‼」


嬉しそうに声を弾ませた少年に歩み寄ろうとしたその時……__


「……悠っ‼
 無事か……っ!?」


勢いよく第1墓場のドアが開け放たれてザックが叫んだ。

……どうやら、この部屋以外のライトは点いていなかったらしい…。
真っ暗な闇から抜け出すように、息を少し弾ませたザックが姿を表した。


『……え?
 ザック……?

 別に何も変わったことなんてないけど…。
 ……無事かって何……?』

「……そうか。
 何ともねぇなら良いんだ。」


戸惑った私は、たどたどしく言葉を紡いだ。
そんなことを気にするわけでもなく、私の返答を聞いたザックは、安堵したような声を洩らした。

……が、すぐに私の前に立っていた少年を睨んだ。



「…………エディ、テメェ……。」


獣が唸るような低い声でザックは短く言った。



私は、そこでハッとして少年から後ずさって距離を取り、硬直した。



……待って。
ザックと、この少年は……知り合いなの……?

ってことは……、
この少年は…__

エディは…………__



このフロアの……"殺人鬼"……____



/ 373ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp