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【おそ松さん】とあるタヌキの事情

第8章 初参戦


おそは驚いた顔をしてる、そりゃそうよね…。

「はっ?お前自分のは試した事ないの?俺はてっきり自分の武器は出せないんだって思ってたわ」

まぁ、そう思うわよね…。

『ん~…なんていうのかな…今までそういう考えに至らなかったといえばそうだし、武器をわざわざ出さなくても依頼主が用意してくれてたし、それになるべく隠したい力だったってのもあるかなぁ…』

「タキってさぁ、しっかりしてるようでやっぱどこか抜けてるよな~」

『ひどいっ!需要がなかっただけだもん!!』

「悪い悪い♪なら試しに出してみたらいいんじゃね?」

『ん?いいの?』

「お前ねぇ…そういう事に一々許可なんていらないんだぜ?変なとこで遠慮すんなよ、奴隷じゃないんだからさぁ」

呆れたようにおそは言うけど、初めが生きるか死ぬかだったし何だかんだ言っても私はまだろくに仕事もしてない、そんな私でも皆は対等に扱ってくれるし、気を使ってくれる。
マフィアなのに…ちっともマフィアらしくない。
そのぐらい皆は優しい。
それなのにあまり好き勝手してたら申し訳ない気がして、何だろう自分のメンタルな部分を守る以外では遠慮してしまう…。
そもそも何で私をこのファミリーの一員にしてくれたのかしら?今まで六人で充分やってきてたんだと思う、それなのに今更私っていうお荷物を抱えるなんて。
思いきって今考えてる事をおそに聞いてみた。

『ねぇ?おそ…聞いてもいい?なんで私を仲間にしようと思ったの?私がいなくてもこのファミリーは今まで六つ子で充分やってきてたんでしょ?なんでわざわざ私みたいなお荷物を抱えたの?それが不思議でしょうがないのよね…』

「はぁ?タキ…お前なぁ、今更そんな事聞く?」

『うん…だって私まだなんの役にもたててない…お仕事だって…私なんにもしてない、なのに皆優しいし…初めてなんだよ…誰かの為に自分の意思で何かしたい、役にたちたいって思ったのって…でも、私まだ何もできない…力の事に関してはおそ達に任せた手前あまり好き勝手に動くのもどうかと思うし…』

「ストップストップッ!!タキ、お前色々考えすぎだよ?役にたててない?誰が言ったの?役にたってんじゃん何言ってんの?」

『どこが役にたってるのよ!?何かした覚えないっ!!してもらってばっかりだよっ!!逆に申し訳ないわっ!!』
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