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【おそ松さん】とあるタヌキの事情

第13章 神なんてくそくらえ


かなりの時間がたった頃部屋の扉が開きいちさんが出てきた。
項垂れ座りこんでいたカラさんが慌てて立ち上がる。

「タキは…!?どうなったっっ!!?なぁっっ!!?」

「煩い…手は尽くしたよ…入っていい、ただし…絶対安静だから静かにしてね…」

部屋へ入るとベッドの上には包帯で身を包んだタヌキ姿のタキちゃん…器械に繋がれた色々な管と酸素マスクが付けられていて…見てるだけで痛々しい…。

「大丈夫なんだよなぁ…?生きてるんだよなぁ…?」

「かなりの衝撃を受けたんだね…内蔵損傷に手足や肋骨の何本かの骨折…言ったでしょ?手は尽くしたよ…後は彼女の生命力しだい…祈るしかないでしょ…」

シャツの中でミィと鳴く子猫…忘れてた…。
マメとシャツの下から取り出した子猫を抱いて未だ意識のない彼女に語りかける。

カ「タキちゃん…ほら…君が助けた子猫は無事だからな…」

「カラ松くん…その子猫も診てあげるからかして」

オレは胸に抱いていた子猫をいちさんに渡す。
おそさんがチラリと子猫を見てタキちゃんに視線を戻すと独りごちる。

「はぁ~あ…馬鹿だよなぁ…こいつ…それで自分が死にそうになってるとかさぁ…本当馬鹿…まぁそんなとこがタキらしいけどな…」

「タキちゃん…?早く目を覚まさないと君の為に用意してるクッキー…僕が全部食べちゃうからね」

「ぼくは大丈夫だって信じてるっ!だってタキちゃんて傷の回復とか早かったよねっ!」

「そ、そうだよね…ボクも…彼女の回復力を信じるよ!」

「やはり街へなんて連れて行くんじゃなかった…オレのせいだ…こんな事になるなら…タキ…タキ………」

自分を追い詰めてまた呪文のようにブツブツと言い出したカラさん…。
ゴツッッ!!!

「いだぁっ!!?」

「あーっ!うるせぇっ!お前がしっかりしなくてどうすんだってーのっ!ピーノの次男なら気丈に振る舞えよっ!どんだけメンタル弱いのお前っ!!しゃんとしろっ!!」

おそさんの拳骨…うわぁ…痛そうだ…。
そう言って長男らしく叱るおそさんを呆けたように見詰めるカラさん。

「兄さん……何するんだっ!?オレのperfect headに何してくれてるんだ?ん~?痛いだろうがっ!!」

ゴヅンッッ!!

「んごっっっ!!?」
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