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【跡部】All′s fair in Love&War

第29章 はじまりのつづき(中編)




「お爺様に、結婚するお相手の理想などを聞かされているかとは思います。勿論、跡部家の為を思うならそれも良いでしょう、が――お母様もそうされた以上、ぼっちゃまがご自身でお相手を選ばれる事は、誰も止める権利がないと私は思うのですよ」


例え、お爺様であってもね――その言葉に、胸がすぅっと軽くなった。自分は、思いの外祖父の呪縛に囚われすぎていたらしい。ミカエルが口を閉じたのを見届けて、目を閉じる。新しい生活は、思いの外身体を疲弊させていたようで、すぐに微睡みの中に沈んでいく。

瞼の裏に映るのは、見たことも無い顔で笑う彼女で。そう言えば笑顔を殆ど見た事が無い、と思い当たった。


いよいよ俺はおかしくなってしまった、しかしclash…事故、なのだから仕方が無いのだろう。


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