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『イケメン戦国』〜生きる〜

第6章 本心


なお目線

周りは一面焼け野原で、紅い夕陽に照らされて益々紅く映える焔。
その中に、人や馬が倒れている。


次の瞬間

目の前で、斬られた人が倒れていき

その眼に捉えられたかの様に

眼が離せない。

その眼から光が消えていく

この音の中で聞こえる筈ないのに

【ドサッ】と音が聞こえた気がした


『さっきまで動いてたのに…』
恐怖が地の底から湧き上がってくるような感覚に、身体がガタガタと震えだす。

信長様はそれに気づかぬまま、次々と敵兵をなぎ倒していく。

「もう…嫌…」
小さく呟いても届かない。
とにかくその場から逃げたくて、信長様に頼もうと顔を向ける。

そこには、冷たい光を宿した眼。
口の端が僅かに上がった信長様の顔があった。

私はその顔に息を飲む。
そして、ここが戦国時代で、戦国武将と共にいる事をまざまざと思い知らされる。

その反面、その顔に、その眼に囚われていた。

その時、目の端に光が見えた。
私は咄嗟に信長様にだきつく。

「うっ…」

右肩付近に熱が走る。
そのまま反転した身体は、地面へと落ちていく。

「なお!」
信長様が馬を降り私を抱き締める。

「のぶ…な、がさま…よか…よか、た」

「しゃべるななお」
信長様の冷たく光っていた眼が、揺らいでいる。

『私、死ぬのかな?死にたかった筈なのに、怖い…嫌…嫌』

目の前が暗転して、信長様の顔が見えなくなる。


「わ、たし、つっ…しに、たくな…い」



そのまま、私は闇の中へ意識を落とした。










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