• テキストサイズ

Story〜君の隣で同じ景色を見る〜

第24章 ep24 呼応





ーーー・・・



合宿最終日、チーム全体の調子としては、最終日になり疲労の色が出てきてはいたが、そのぎりぎりのラインの中でも一人一人が1本に執着していた。


レギュラーも固定され、コンビネーション、サーブなどの個人技も磨かれ確実にチーム力はついてきていた。



最終セットも、大学生相手にデュースを繰り広げ、手応えのある合宿となった。







試合が終わり、両チームがネットを挟んで整列する。



「5日間ありがとうございました!!また宜しくお願いします!!」


及川の掛け声と共に、チームメイト全員が続いて頭を下げる。



「あざした!!!」





そうしてゴールデンウィーク合宿は幕を閉じた。









(俺の人生の幕も閉じそうだ・・・・・・)





ーーー・・・







練習試合後のお昼ご飯は何とも達成感に溢れ、清々しい気持ちで食べられる。

久々にそれぞれの家に帰ってゆっくりできることが楽しみで仕方ない。




ただ1人、及川を除いて・・・・・・






「おい及川、今日まだ一言も話してねぇのか?」



他の連中に聞こえないように耳元で尋ねる岩泉。



「うん。つか目も合わない。岩ちゃん俺、切腹の準備してくる」


「いつの時代の人間だよ!馬鹿なこと言ってんじゃねぇ」



岩泉に肩をどつかれるが、及川には何も響かず、ただただカレーライスを淡々と食す。



「嫌われた。確実に嫌われたよ。なんだよ、抱きたいって。変態じゃん俺、いかれてんじゃん」



昨日は完全に気持ちがヒートアップしていた。そして時と場所、場合を考えずに放った一言がりこと及川の間に恐ろしく深い溝を作ってしまっていた。




「とにかく後で謝れって」


「謝りたいけどさぁ、全然近くに来てくれないんだもん。もう完全に終わった。チームはプラスで良くなったけど俺らの関係はマイナスだよ。ドマイナス。」



完全にしょぼくれモードになってしまった及川に、りこの一言がかかる。




「いつものバスは、今日大会に行ってるサッカー部が使ってるから、予備バスが来るそうです。ちょっと狭いから、一人一席で詰めて座ってね」



/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp