• テキストサイズ

Story〜君の隣で同じ景色を見る〜

第30章 ep30 進路





正直。りこの中で及川はバレー意識が群を抜いて高いから、実業団に意思を固めているのかと思っていたが、予想外の進路を言われてびっくりした。




「バレーの強い所でやるのは夢だよ。だけどさ・・・」






及川はりこを抱き寄せる。





「俺、お前と離れるのヤなんだよね」






5年もの間離れていた存在が、やっとこんなに近くで、自分のものでいてくれる。




また、離れた所に行くなんて・・・



俺・・・・・・











しかし、りこは黙ったまま。


不思議に思って及川は彼女の顔を覗き込む。





「ふざけないで」


「は?」



小さく低い声が聞こえたと思ったら、胸元に強い衝撃。


押し返されたのだと感じた頃には、りこは目を釣り上げて及川を睨んでいる。






「なんだか、拍子抜けしちゃう・・・」




りこは踵を返してスタスタと帰路を歩いていく。




「ちょ、りこっ!?」



「ついてこないで」




こちらを振り向きもせずに言い放つ冷たい一言。

多分、相当怒ってる。





「りこ・・・?」



その剣幕に、及川は完全に萎縮する。







「ごめん、暫く、話したくない。・・・朝も1人で行くから、それじゃ」






淡々と告げ、淡々と歩いていく彼女。


ぽつんと1人取り残された及川。






な、なんで・・・
















なんでだーー!!
/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp