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【イケメン王宮】氷の魔法にかけられて

第4章 *目覚めの時と暗闇*


〜ユイside〜


ユイ…ごめん…ごめん…俺は…


誰かが私の呼んでいる気がして、重い瞼を持ち上げる。


そこには、彼の姿が、ルイが、いた。


「っ!ユイっ…!」


ルイは私の目が覚めたことに気づくと、涙を流し、ごめんね。と謝った。


その涙を見て、私が今ウィスタリア城の自室にいることに気が付いた。そして、再びルイの涙を見てはっとする。


(違う…!ルイは悪くない……私が悪いのに…!)


「…っ…!」


急いで体を起こそうとするけど、全身が痛くて起き上がることも出来ない。


「無理に起き上がろうとしないで。起こしてあげるから」


ルイが私の体を起こした時、被っていたシーツが滑り落ち、自分がネグリジェ姿に着替えさせられていることと、ルイのシャツに血のようなものが着いていることに気が付いた。


(もしかして…ルイが私をここまで連れて来てくれたの…?でも…じゃあ……)


あの姿を、私の汚れた姿を、見られてしまった


罪悪感と、悲しみと、色々な感情が入り交じり、それと同時に今までのことか鮮明に蘇り、涙が溢れ、止まらなくなってしまう。


(ごめんなさい…ごめんなさい…ルイ…)


心ではそう思っていても、言葉にしたくても、何故か体が震えて声が出なかった。


「ユイ....,」


ルイが私の体を抱きしめた時、何故か恐怖に襲われ、気付けばルイをガタガタと震えた両手で押し戻し、こう言っていた。



「お願い…1人に、させて。今は誰とも会いたくないの」




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