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愛し愛された者 [NARUTO]

第12章 木ノ葉へ


イタチsaid


「一瞬で散る美しさにサソリの旦那もそろそろ気づいた方がいいぞ、うん」


「この会話何度やったらいいんだよ」


「そんなことよりお前らジャシン教に入れ」


「「いやだ」」


「...はぁ、」


騒がしい場所にいるため、俺のため息は、空気に溶け込んで消えた。


ここは、岩に複数の穴が空いた洞窟の中。


暁のアジトだ。


俺達メンバーは任務がないときは基本的にここで生活している。


懐から、あるクナイを取りだし見つめていると、


「最近多いですね...」


視線を上に向けると鬼鮫がニヤッと笑いながら此方を見ていた。


「何がだ?」


「そのクナイを見ながらため息をつくことが、ですよ」


多かっただろうか...


そう思い、最近の自分の行動を思い起こしてみると..


確かに、多かった。


「暇さえあればそのクナイを見ていますよね?...想い人でもいるんですか?」


「...余計な詮索はするな」


「これは失礼」


クツクツと笑っている鬼鮫から目をそらし、また、クナイを見る。


姉からもらった...大切なクナイを


あの日から3年..姉さんは、俺に会いに来ない。俺から連絡を取ってもいいが、恐らく忙しいであろう姉さんにわざわざ手紙を送って読ませるのも気が引けた。


さらに、あの姉のことだ。


俺への返事に、書きたいことがありすぎる、とか言って何日も考え込むに決まっている。


だが...


「そろそろ限界だな」


「?」


近くにいた鬼鮫が首を傾げるのが分かったが無視した。


3年、充分待った。


そろそろ会いに来ないのであれば手紙だけでも..


いや、手紙を書いて、返事が来たらますます会いたくなる。


3年前までずっと一緒にいたのだ。会いたくてしょうがない。


姉さん.....いつ、会いに来てくれるんだ


















『あ、』






「は、?」








突然、俺の目の前に誰かが現れた。


いつもの俺なら、すぐに警戒体勢に入っていただろう。


だが、入らなかった、いや..入れなかった。



何故なら...目の前には





「...姉さん」







今、最も会いたかった..双子の姉がいたから..



イタチsaid end


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