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愛し愛された者 [NARUTO]

第10章 暗い月夜


暗く、淀んだ夜...


空を見上げると、綺麗な月が顔をだし、私達を見下ろしている。




『.....』


火影岩の上に立ち、静かに里を見下ろす。


うちは一族は、全員明日のクーデターに備えて早く帰宅している。


実際は根の者が手を回しているのだが...










そろそろ、かな...



飛雷神でうちはの集落の入り口まで飛ぶ。



むせかえるような、血のにおい...


逃げて外まで来たのだろう..見渡す限り、屍、屍、屍、


まるで、あの忍界大戦の時の地獄絵図をみているかのようだ。



おはようと笑いかけてくれたおじいさん、


いつも持っていきな、と言ってお菓子を持たせてくれたおばさん、


遊ぼうと笑いかけてくれた子供と、その母親、








みんな..死んでいる。












『ごめんなさい.....』



一言、そう呟くと私は飛雷神で家まで飛んだ。





















「....そうか、お前はむこうへ付いたか」



父の声が、聞こえた。



「父さん...母さん...」




「分かってるわ...イタチ」




イタチと、母の声も聞こえる。



静かに、声の聞こえる方へ歩いていく。




「..イタチ...最後に約束しろ...」





















「サスケのことは頼んだぞ」



部屋の前まで来た。



父の声が、静かな部屋に響く。















「...分かってる」














二人は、全て分かっている。




父には息子と..刃を交えようなどという感情は、一切ない。








父さん...








母さん...









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