第3章 武将達のそれぞれの思い…と久しぶりの再会
入ってきた姿を見て見とれない武将否、男は居なかった。
昨日まで煤が顔や身体につき、着ていた物が破れかけたり煤で汚れたりしていたあの姿からは想像も出来ない程に見違えていた。
「ほう。見違えたな。歌恋」
肘掛けに身体を預けながら徳利片手にお酒を飲みながら、口角を挙げてニヤッと笑う信長。
「本当だな…。お前どっかのお姫様何じゃないのか?」昨日までさんざん疑って舐めるように見ていた秀吉。
「昨日の姿もいいが、今日のお前はもっといいな!お前青葉城に来いよ!可愛がってやる!」
会って2日目だと言うのにさらっと口説いてくる政宗。
「さすが信長様の目に止まるだけのことはあるな…。例えお前が敵だとしてもいい女だ」
ニヤニヤ笑いながらもからかい半分でいう光秀。
「あんまり無茶しないでよね。俺の仕事が増えるだけだから。それに俺は弱い奴には興味ないから。」
言葉とは裏腹に、頬が少し赤く見える天邪鬼な家康。
「本当にお美しいです!天女様の様です。」
相変わらずエンジェルスマイルでさらっと口説いてるように見える三成。
「信長様、このような素敵な着物や羽織、それと部屋や家具一式、なにから何まで揃えて頂きありがとうございます。」
上座に座っている信長の前に座り三指つき丁寧にお礼の挨拶をする。
「貴様はそれなりの教育を受けているようだが、どこかの武家の出身なのか」
「武家の出身ではありませんが、京都の祖父母の家は代々続き呉服屋で、着物の着付けや立ち居振る舞いなどは祖母から教わりました。」
「なるほど、だから着物の着付けを自分で出来たわけか、女中達がお前が1人で着付けが出来たからと騒いでおったぞ。」
「女中さん達には悪いことをしました。せっかくやって下さると言ってくださったのに。」
きっと女中さん達からしたら物足りなかっただろうなぁ。
祖父母の家に帰ってきた時もお手伝いさん達がそうだし…