第15章 rain of fondnessⅤ-6

「ん・・ッ・・・ぁ・・、――名無し・・、イク・・・――っぐ・・」

「ッ・・ん・・・！」


巣の中に再び欲のかたまりが出来たとき、それを吐き出した瞬間が、男が感じる絶頂のすべてだった。
味わうために腰を揺らし、女の膣に埋もれ陽物を扱く。
キスをしながら、ナッシュはその所作を絶えずやり続けた。

律動で齎された、射精とは違った快感に喉が思わずきゅっと震える。
吐息はまるで色が付いているかのように、甘く、そしていやらしく、ナッシュのそれは名無しの耳に届いていた。


「ん――・・・ッ！」

「・・――・・・ふ・・、ン・・」


変わることのない火照ったままの全身と、触れ合っていた舌。
敢えてまだ熱を持っている何かがあるとすれば、それはナッシュの想いそのものだろう。
身体も、陰部も、唇も、重なった視線をも支配して、彼もまた自分の気持ちすべてを、名無しに正面からぶつけていた。

激しさを物語る卑猥なピストン。
ナッシュが一瞬身震いを見せると、名無しも同様に、直後自然と身体をひくつかせた。

自分のなかにそれが注がれたことを肌で感じ、出されたことそのものに覚えるのはこの上ない恍惚感。

それはまるで絶頂に相違ない感覚を彼女の脳裏に味わわせており、締まる陰部はいまだナッシュに食らいつくように、猛りを飲み込んで離さなかった。


「ん・・・――」


高みに到達し、その脈が薄らいでも、望まれた通りナッシュは名無しへのキスをやめることはなかった。


彼が自ら腰を引き、下半身の繋がりが解けた状態になっても、余韻が自然と冷めるまで二人はずっとずっと、その唇を重ね合った。





rain of fondnessⅤ