• テキストサイズ

神威の巫女【刀剣乱舞】R18

第1章 初期刀 加州清光①



光が収まり、ひゅうがが目を開けると、
目の前には黒髪の青年が微笑みながら
ひゅうがの手を握っていた。

「えっと……」

「あー。川の下の子です。加州清光。
扱いづらいけど、性能はいい感じってね」

戸惑うひゅうがに清光が微笑む。
陶器のように滑らかで白い肌、
鮮やかな爪紅。
ひゅうがの手を握る手は温かく、優しさに満ちていた。

ひゅうがは握った手を見つめた。

「どうしたの?もしかして緊張してるの?」

手を見つめたまま黙り込むひゅうがを清光が覗き込む。

「あったかい……なと思って」

人柱にされ、目覚めたら知らない場所にいた。
仲間は全ていなくなり、ひゅうがはひとりになった。

だが、清光の手の温もりを感じ、ようやくひとりではなくなったような気がした。

「……なら、こうしたらもっと温かいんじゃない?」

ひゅうがの言葉に、少し考えるような仕草をした後、清光はひゅうがの手を引っ張り、胸の中へと抱き寄せた。

「ほら……ね?」

抱き締められた瞬間、身体の力が抜けていくような、安心感。
ひゅうがはゆっくりと目を閉じ、清光の肩に顔を埋めた。

「主?泣いてるの?」

「…………」

ひゅうがは顔を埋めたまま、何も答えない。
声を押し殺し、静かに涙していた。

「……これからよろしくね」

そう言ってひゅうがの髪を撫でると、
ひゅうがが泣き止むまで抱き締めていた。


第ニ章に続く
/ 150ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp