• テキストサイズ

神威の巫女【刀剣乱舞】R18

第3章 二振目 へし切長谷部①



加州と身体を重ねた翌日、ひゅうがは夜明けと同時に目を覚ました。

今宵は新月、ひゅうがの力が最も高まる日。
ならば、何振り顕現しようとも、以前のような身体への負担は少ないに違いない。

ひゅうがは早々に支度をすると、顕現の間へと来ていた。
部屋の奥には、一振の刀が飾られている。

「…………」

ひゅうがは迷うことなく刀を手に取り、鞘に収める。
そして、己の力を注ぎこんだ。
ひゅうがの手元が光り、刀を包み込むと、藤色の光が室内を照らす。

「……私はあまなつひゅうが、貴方は?」

「へし切長谷部、と言います。主命とあらば、なんでもこなしますよ」


新たに顕現したのは、ひゅうがより遥かに背が高く、藤色の瞳が美しい青年だった。
瞳の美しさもだが、命令ならばなんでもこなすという言葉がひゅうがの興味を引く。

「……なんでも?」

へし切長谷部は微笑むと腰を落とし、跪いてひゅうがの手に口付ける。

「主命とあらば」

彼は、ひゅうがの命ならなんでもやると。
なら、いつかひゅうがが直面しなければならない使命と向き合う時、彼がきっと力になってくれるだろう。
ひゅうがは自嘲するように微笑む。

「そう……よろしくね。えっと、へしきり……」

「できればへし切ではなく、長谷部と呼んで下さい」

長谷部は立ち上がると、背の高くないひゅうがに配慮して、ひゅうがのすぐ目の前ではなく、一歩引いた位置に立つ。


「じゃあ長谷部、早速やることがあるから、私についてきてね。ついでにこの本丸内を案内します」

「どこまでもお供します」

そう言って、長谷部は顕現の間を出たひゅうがに付き従った。

/ 150ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp