• テキストサイズ

イケメン戦国 ー とおまわり ー

第8章 触れる


~安土城 天守閣~



「では、10日のちに」

「うむ。お前のことだ、ぬかりあるまい。せいぜい楽しんでまいれ」

「はっ」


夜の天守閣。
御舘様に報告し、次に出立する日を告げる。御舘様以外には知られぬよう、ぬらりと動く俺には夜がよい。


「今宵は十六夜(いざよい)か」

「はい」


開け放たれた障子の間から、十六夜の月が顔を見せる。


「光秀、付き合え」

「はっ」


用意されていた杯を御舘様に渡し、酒を注ぐ。一息に呑み終えるとその杯を俺に戻し、御舘様がその杯を酒で満たしてくださる。俺がそれを一息に呑むと、その後はいつものように互いに構わず、手酌でゆるりと酒を呑む。

十六夜の月を愛でながら、御舘様と二人、ただただ酒を呑む。それだけのことが、俺にはとても心地のよい。
/ 382ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp