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【ヒロアカ】世も縋ら

第3章 命令




あいつと別れ


一人車内に取り残された俺は

意味もなく携帯を出し
あいつの名前を見る


「……神奈…」



また同じ様に呟くが
そこにあいつがいることはない




私を

待っててくれたの?




その通りだった

俺は
貴重な時間を
あんな女を待つために使ったんだ

意味が分からねえよな


先に帰ればいいものを
何故待っていたんだろうか


そんな疑問を掻き消す用に舌打ちをする


すると背後から急に声が掛かった

「なぁ」


驚き振り返るとそこには
全く知らない奴が居た


雄英の制服…


それだけ確認してまた
知らない男を見る

クマがひでえ
紫髪の男……


「…あ"?誰だてめえ」


きつく睨むがビクともしない


「そう睨むなよ、ヒーロー志望だろ?見えないぜ?そういう風には」

カンに触る言い方をする奴だな
電車内でなければ既にぶっ飛ばしてる所だった




「んだてめえ、喧嘩売ってんのか?」


「別に…。ただ

あんまり神奈を困らせないでくれって

…いや、宣戦布告か
しに来ただけ」


あいつの名前が出たことに対して
分かりやすく反応してしまい
最後の言葉に
口角が自然と上がった



「ヒーロー科だからって
人の人生好き勝手出来ると思うなよ

あいつの個性は
お前だけを救う為に使って良いもんじゃねえんだよ」



はあ…?



「んなことてめえにとやかく言われる筋合いねえんだよ

てめえがあいつの男だろうが関係ねえ
俺は、俺の好きにするだけだ」


2人の空気に
車内は少しざわつき始める


「……そう、なら俺も
俺の好きな様にさせてもらう」



その言葉だけ残し
タイミングよく開いたドアを
悠々とくぐり抜けていった






……否定しなかった




あいつの男だということを
あの野郎は何も…


ということは、そういう事なんだろう



またも1人取り残された車内で
やけくそに舌打ちをするだけだった




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