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アイナナ夢

第9章 Rey6


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大和さんに絡まれる事が増え、IDOLiSH7のメンバーとも喋るようになって来ていた。
悪いことではないのだけど、メンバーと話すと高確率で大和さんが割り込んで来る。
見張ってるのか単にいじりに来てるのか分からない。
そしてやって来たTRIGGERのライブ当日である。
ライブってどういう服着ればいいんだろと悩みに悩んだ結果、モノトーンのワンピースに薄手のパーカー(うさ耳)と言う格好になってしまった。

『待ち合わせより早く来ちゃったな…』

早いと言っても、TRIGGERのファンであろう女の子たちが集まっている。
なんて私は場違いなんだろうって思う。
人が多過ぎて酔いそう。

『少し離れよ』

ライブ会場の裏の方へと私は歩く。
こんな大きなところで歌えるんだ…TRIGGERって凄いのかな。
少し歩くと、正面より人が少なくなって来た。

「…っ!おまえ!」
『え、ひゃっ!?』

突然誰かに腕を引っ張られた。
その人は急いでいるのか背中しか見えない。

『あ、あの』
「悪りぃ、付いて来い」
『…?もしかして…』
「黙って付いて来い」

聞き覚えのある声に私は抵抗することを忘れた。
ライブ会場内の人気の少ない道を通り、部屋に通された。

「どうしてお前がここにいるんだよ」
『…八乙女、さん?でも…声が…』
「あ…そうか、俺…」

今目の前にいるのは八乙女楽なんだと思う。
写真でしか見ていないから声は知らない。
でもこれじゃあ…

『やっぱり山村さん…?』
「誰にも言うなよ」
『やっぱりそうなんだ。抱かれたい男No. 1とか聞いて嘘でしょとか思った』
「お前な…」

蕎麦屋のイメージとかけ離れた服に少し違和感を覚える。
これがアイドルって言うものなのかな。

「で、どうしてここにいるんだ」
『TRIGGERのライブを見に…』
「それならそうと先に言えよ」
『?なんで』
「一番良い席用意してやる」

山村さんが言っているのは多分スタッフ席とかそう言うのだと思う。
でも私みたいな何も知らないのがそんな場所にいたら迷惑だろう。

『やま…「八乙女楽だ」
『八乙女さん…?』
「…。楽だ」
『が…く?』

額に手を当ててどうしたんだろう。
なんか小声で「ヤバい」って聞こえたし。

『楽…さん』
「さんは無しでいい」
『…楽』
「ぐっ」
『調子でも悪いの?』
「な、なんでもねえよ」
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