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愛される少女【HP】

第87章 S・P・E・W


「聞こえたわ。エイプリル・フールにムーディ先生の後ろから脅かした魔女に、どういう仕打ちをしたかでしょう?魔法省が、ムーディ先生がいなくなって喜んだのも無理ないわ」

ミアがそう言った。

「こんなにいろいろやらなきゃいけないことがあるのに、その上服従の呪文への抵抗についてなにか読めだなんて、いつ読めばいいのかしらね?」

クレアの言葉に同意するようにミアとエイミーも頷く。4年生になって、今学年にやらなければならない宿題の量が、明らかに増えていることに誰もが気づいていた。

ミネルバの授業で、ミネルバが出した変身術の宿題の量に、ひときわ大きな呻き声があがったときに、ミネルバはなぜそうなのかを説明した。

「皆さんはいま、魔法教育の中で最も大切な段階の一つに来ています!'O・W・L'と呼ばれる'標準魔法レベル試験'が近づいています...」

ミネルバの目が、四角いメガネの奥でキラリと危険な輝きを放つ。

「O・W・Lを受けるのは5年生になってからです!」

ディーンが憤然として言う。

「それだけではないのです、トーマス。いいですか。皆さんはそのために習得する事柄に準備をしなければならないことになるのです!このクラスでハリネズミをまともな針山に変えることができたのは、Ms.グレンジャーとMs.マーレイの2人だけです。お忘れではないでしょうね、トーマス。あなたの針山は、何度やっても、誰かが針を持って近づくと、怖がって、丸まってばかりいたでしょう!」

次の占い学の授業のとき、トレローニー先生は、ハリーとロンの宿題が最高点を取ったと言った。確か、ハリーとロンは惨めなことをたくさんでっちあげたはずだ。

先生は、2人の予言を長々と読みあげ、待ち受ける恐怖の数々を、2人が怯まずに受け入れたことを褒め上げる。それから先生は、その次の一ヵ月についても同じ宿題を出した。隣でエイミーがゲッと呟いたのを私は耳にした。

「もうやった?魔法史のレポート?」

魔法史を教えるゴーストのビンズ先生は、18世紀の'ゴブリンの反乱'についてのレポートを毎週提出させていたので、ミアが言っているのはそれのことだろう。

『えぇ、やったわよ』

「うそ!一緒にやろうかと思ってたのに」

ミアは心底残念だという声を出した。

『知らなかったわ、ごめんなさい。クレアがまだだったじゃないかしら?』

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