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愛される少女【HP】

第77章 移動キーと水汲み


「アーチー、とにかくこれを履いてくれ。そんな格好で歩いたらダメだ。門番のマグルがもう疑いはじめてる...」

「わしゃ、マグルの店でこれを買ったんだ。マグルが着るものじゃろ」

年寄り魔法使いが頑固に言い張る。

「それは、マグルの女性が着るものなんだよ、アーチー。男のじゃない。男はこっちを着るんだ」

魔法省の役人は、細縞のズボンを振りかざした。

「わしゃ、そんなものは着んぞ。わしゃ、大事なところに爽やかな風が通るほうがいいんじゃ。ほっとけ」

アーチーおじいさんが腹立たしげに言う。これを聞いて、ハーマイオニーはクスクス笑いが止まらなくなり、苦しそうに列を抜けた。そして、ハーマイオニーが戻って来たときには、アーチーおじいさんは水を汲み終わって、どこかに行ってしまったあとだった。

『お、重いわね』

「本当ね」

汲んだ水の重みに、ハーマイオニーと言い合う。すると、それを聞いていたハリーがこちらに来た。

「大丈夫かい?」

「大丈夫だろ、ハリー!そんな非力じゃないよ」

ハリーに答えたロン。ハーマイオニーはそんなロンを鋭く睨む。私はハリーと顔を見合わせて肩をすくめた。そして、汲んだ水の重みで、私達は来たときよりもさらにゆっくり歩いてキャンプ場を引き返す。あちこちで、また顔見知りに出会った。ホグワーツ校の生徒やその家族たちだ。

「ユウミ!」

振り返ると、そこにはミア、クレア、エイミーの3人がいた。

『久しぶりね!』

久しぶりに会えた3人に微笑みかける。

「本当ね!いつ頃来たの?」

『つい、さっきよ。みんなは?』

クレアの問いに、私は答えて問いかける。

「私達は、1週間前には来てたのよ」

ミアが答えた。

『そう、みんなに会えて良かったわ!またホグワーツ特急で会いましょう!』

ハリー達を待たせていたため、軽く話して私は戻る。

『あら?ハリーは?』

待たせていたところに戻ると、ハリーがいなかったため首を傾げた。

「ウッドが連れてっちゃったわ」

『オリバーが?残念、会いたかったわ』

しばらくして、ハリーはオリバーと一緒に戻ってきた。

「やぁ、ユウミ。ハリーが君もいるって言ったから来たんだ」

『嬉しいわ、会えて』

「ウッドは、プロチームのパドルミア・ユナイテッドと二軍入りの契約を交わしたんだって!」


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