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秘密

第9章 君を守る為に


みちside


すばるくんの家を出て

亮ちゃんの家に戻った私が

一番に目にしたのは


ひんやりと冷たい床に

子供みたいに小さく丸まって眠る

亮ちゃんの姿で


ゆっくりと近付き

そっと床に投げ出された

亮ちゃんの手に触れると


ビクリと小さく体が震え

亮ちゃんは静かに目を開く…




「おはよう…亮ちゃん。

こんなとこで寝たら風邪ひくよ(笑)?」



そう言ってにっこりと笑って

声をかけた私を



冷たく冷めた目で見つめて



「何でここにお前がおんの…?


すばるくんとこ行ったんやろ…?


やったらもうここに

帰ってくる必要なんかないやろ…?」



そう言って

私から顔をそらす亮ちゃんに



そっと腕を伸ばし

髪を優しくふわふわと撫でると

亮ちゃんは驚いたように

私を見つめて…




「私…確かにすばるくんのとこに行ったよ?


でももう会わない…


亮ちゃんがもうお前なんかいらないって

言うまでずっと


亮ちゃんの側にいるって

決めたから…

だから覚悟してよね(笑)?」



なんて笑いながら言う私に…



「もし…一生言わへんかったら

どうすんの…?」


ゆらゆらと不安気に揺れる目で

私を見つめる…



だからそんな亮ちゃんの体を

ぎゅっと抱きしめて…



「そしたら…

ずっと彼氏も出来ずに

嫁にも行けないなぁ…


その時は一人身同士

仲良くしようね(笑)?」



そう耳元で囁くと…




「あほやなぁ…お前は…」



そんな小さな声が

抱きしめた腕の中で聞こえて




「恋人にはなれなくても…


私は亮ちゃんが大好きだから…


亮ちゃんが笑ってくれるなら

あほでもいいよ?」



そう言って笑った私に



「ほんまにあほや…」



そう呟いた亮ちゃんの体は

小さくゆっくりと震えていた…
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