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秘密

第6章 すれ違い始める気持ち…


すばるside

みちの家から帰り

自分の家のソファーに体を沈め

目をつぶっていると…


ポケットの中に入れたままのスマホが

ぶるぶると振動を伝えてくる…


画面も見ることなく

スマホを耳に当てると


「しぶやん…大丈夫?」


そんな安の声が聞こえてきて…



「何がやねん…?」


めんどくさそうにぽつりと呟くと…




「昨日のこと亮から聞いたよ…?

亮もかなり落ち込んでたけど俺は…

しぶやんの方が心配やわ(笑)

一人で全部抱え込んでない?」



なんて安は…


何もかも見透かしたように

心配そうな声を出す…



時々痛くなるくらいの

安の優しさにがちがちに強ばっていた

肩の力が抜けて行って…



「あいつに…

嫌われたかもしれんわ…(笑)」


そう言って力なく笑うと…



「なんでそう思うん…?」



安はゆっくりとした口調で

そう問いかけてきて…



「すごく情けないとこを

見せてしまった気がすんねん…


あいつはそれでも

俺のことを受け入れてくれたけど


でもそれはきっと…

好きやからとかじゃなくて…


俺があまりに弱くて情けなくて

やからあいつは俺に…

同情しただけで…


それ解ってんのに

また自分勝手にあいつを自分のもんにして


最低やろ…俺…(笑)?」


情けなくて悔しくて

涙声でそんな

ぐちゃぐちゃな感情を

鼻をすすりながら吐き出す俺に



「うん…でもそれは逆に

情けないとこもさらけだせちゃうぐらい

みちちゃんが好きってことやろ?


ええやんかっこつけんでも

ええやん情けなくても


不器用で優しすぎる

しぶやんのそういうとこ

俺は大好きやで?」



なんて照れもせずに言うてくるから




「あほか……(笑)

お前が好きでも意味ないわ!!」



そう言って笑うと


電話の向こうで安も笑ってて



ただそれだけのことで


重く沈んでた気持ちが

何か少し救われた気がした…
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