第50章 新しい仲間
「蛍丸のことは、大好きよ。愛染のことも好きだしみんなのことも大好きだから蛍丸だけを特別に想うことはできないの」
蛍丸「それってさ……俺以外の刀がいなくなれば俺だけ見てくれるんだよね?」
おおっと!まさかのそう解釈しますか。
私は動揺してはいけないと笑顔を浮かべたまま言葉を続ける。
「蛍丸だけになっちゃうと、主として役立たずに思われて解雇される可能性もあるから最悪の場合、蛍丸ともバイバイしなくちゃいけなくなるかなー、なんて」
蛍丸「主が役立たずなのは今に始まったことじゃないよ」
ストレートに告げられた言葉にさすがの私も傷つくがこれは子供がいったこと、本気にしてはいけない。ここは大人のお姉さんみたく落ち着いた対応をしなくては。
「二人きりも悪くないけど明石や愛染がいなくなったら蛍丸だって寂しいでしょ?」
蛍丸「それは……」
「私は仲間を……家族を作るのが夢だったりするの。今はギクシャクした関係の子が多くて歓迎すらされてないところもあるけど私たちが幸せな気持ちで満たされるよう蛍丸にも協力してほしいな」
蛍丸「……いいよ。けど俺を家族だって、大切だって想ってくれるのなら……今度でーとってやつして?」
でーと……?
蛍丸の口から発せられるはずのない単語が出てきたことに私は目をぱちくりとさせた。発音がちょっと違うが蛍丸はデート、つまりは逢瀬を求めている。
男女がうふふ、あははといってるんるん気分で街を歩くあのデートというものを蛍丸がしたいと言っているのだ。愛染や明石と一緒ではなく私と二人で……あれ二人って言ったかな?まあ、そこはいいや。
「ふつつかものですが、よろしくお願いします」
蛍丸「じゃ、約束ね主」
ちゅ、っと頬に蛍丸の柔らかな唇が当たると私は胸元を抑えた。だがそれだけではこの溢れんばかりの感情を抑え込むことができず地面に手をついてしまう。
か、可愛すぎる!!!