第26章 落ちました
「ん……っ…は、ぁ……寿司、食べたい」
目が覚めて最初に思ったこと。
それは寿司を食べたいという欲求であった。
寿司の夢を見たわけでもないのに寿司……何でだろう、なんて考えながら起き上がろうとするが動けない。
なぜだ、なんて考えなくともそれは蛍丸が抱きついて寝ているからとすぐにわかったが……明石まで後ろから抱きついて寝ているから暑い!
「起こすの可哀想だな……」
この状況を何とかするには起こすしかないのだが気持ち良さそうに眠っている蛍丸を起こすのは……抵抗がある。
明石は、後ろにいるから起こすのは……難しい。
「でも起こさないと朝御飯が……」
食事が出されているかもわからない時間ではあるが、歌仙さんのためにも時間通りにいって喜ばせてあげたい。
喜ぶかはわからないけど……。
でも私だけまともに食事の時間にいけてないみたいだからね……
「……仕方ない。蛍丸ー……起きよ?」
ぽんぽんと背中を叩いてやると小さく唸りながらより強くしがみつかれて私は痛みを感じた。
叫ぶほどでもないが子供とは思えない力だ……
「ほ、蛍丸っ……あ、さです」
蛍丸「ん……あ、るじ……?なんでいんの……?」
えぇ……。
「一緒に寝ようって言ったじゃない……忘れちゃった?」
蛍丸「そうだっけ……まあ、いいや」
そう言ってまた寝ようとする蛍丸の頭を撫でる。
子供の頭って可愛いよね……じゃなかった。
「蛍丸ー?早く起きないと朝御飯無くなっちゃうよ?ほら、私も起きるから蛍丸もおっきしよ?」
明石「自分は下の方がおっきしてるんですけど……どないしよ」
「知るか寝てろ」
背後で、平然と下ネタを言ってきた明石を無視して蛍丸と一緒に起き上がると眠たげに目を擦るので、それはいけないよと頬を撫でてみた。
スベスベとした肌。
なんかもちもちとしている……え、かわっ
明石「主はん自分は起こしてくれんの?」
「起きてるでしょ……ほら明石は愛染を起こしにいく。あーあ、布団蹴っ飛ばして……風邪とか引いてないかな」
愛染の方を見ると布団を蹴っ飛ばしてお腹を出して寝ているので心配になった。
子供って結構病気しやすいらしいから心配だよ……。