第1章 始
「本当に優しい子達」
二人が行ってしまうと畳の上に寝転ぶことにした。
一期一振さんの手入れを終えたあと布団の上で休ませてもらっていたのになぜだか疲れがとれない。
接吻、キスをすることで手入れもスムーズに進められていいことしかないはずなのに身体の疲れや睡魔が襲ってきて清光達といっしょにいるときから、まっすぐ歩くことができなかった。
それでも無理して隠してみても、身体は疲れていると悲鳴を上げていて、眠くて眠くて……仕方、ない。
誰も見ていない場所とはいえ憎悪の対象でもある人間で審神者の私は刀から狙われるはずだから、こんな場所で気を休めるなんてできやしないのに……。
「昨日は、早く……寝たのに、なぁ」
自分の身を守るためにも、起きていなきゃ。
二人が帰ってくるまで待って、それで手入れが必要な子がいれば私、が手入れ、を……。
まだ、数時間しか経ってないんだ。
こんなところで終われない。
終わるわけに、は……。
「清光……」
目蓋が閉じてしまいそうになる。
あぁ、ダメなのに……だ、め……なッ………