第15章 変化
「挨拶回りをしてるだけなのであまり長居をしない、とだけ言っておきます」
今剣くんとじゃれながら笑顔でそう言っておいた。
まあ、今は岩融さんも今剣くんもいるし変なことはしてこないと思うけど……念のためだ。
三日月「主、きていたのか」
「あ、はい。きていま…………な、なんですかこの酒の空ビン……」
三日月さんは外の方を見ながら優雅にお酒を飲んでいるがそのそばには大量の空ビン。
三日月「主も飲むか……?」
「飲まないよ。どれくらい飲んだか存じませんがもうお部屋にお戻りください……こんなとこで寝られても困りますから」
今剣「そうですよ。のみすぎだとおもいます」
石切丸「そういう今剣さんも、飲んでいたけどね?」
今剣「それはいわないやくそくですよ!」
え……この見た目でお酒、飲んだの?
小学低学年にしか見えないが私より長生きしてるんだよね……。
義経の刀って聞いたし平安時代?
「……今剣くん、飲むなとは言わないけどほどほどにね?なんだか、私が捕まりそう……」
今剣「……?」
現世ならちゃんと見てなかった私が罪に問われそうだからね……。
今剣くんから離れて静かにお酒を飲む岩融さんのそばに移動する。
意外と静かに飲む人なんだな……
岩融「ん?なんだ、主も飲める口か?」
「飲めない口です。でも、挨拶回りしてて思ったんですが……結構飲む人多いですよね……どこから出した、って言いたくなるくらい空ビンがありました」
岩融「がははは!聞いたぞ、巾着の銭を使い果たしたとな」
銭……?
お金、のことだろうな。
「今回だけはもう気にしないことにして、次からは財布の紐はきつく縛ろうかと思います……政府の人から給付金、みたいなものがもらえるとか小耳に挟んだとはいえ自分達で稼げるだけ稼がないと……」
その辺りのことももっと詳しく聞いておけばよかったな。
今度来たときには知らないことをたくさん教えてもらうことにしよう。