第13章 甘い香り ☆
「……力持ち、か」
兼さんとか長谷部辺りがいいだろう。
ショタとのお出掛けもしたいが今回はショタは除外するとして……この場にいる人ならば鶴丸さんと歌仙さん、かな。
あと、一応鯰尾も候補にいれるとしても行きたいかそうでないかくらい聞かないといけないな。
他に頼りになるのは燭台切さんとか……でも、信用してないって考える人もいるし好き好んで私と一緒にいってくれる人がどれくらいいるか……
鯰尾「あの、ちょっといいですか?」
「槍の人たちはなんか力持ちな感じが……あ、な、なに?」
鯰尾「主って匂袋とか持ってたりします?」
「匂袋?そういうものは持ってないけど……」
鯰尾「そうですか……実は昨日、主と話したじゃないですか。埋めるとか埋めないとかで」
知らない人が聞いたらなんのことか全くわからないが、血肉にされた場合について話していたときだろう。
初めて大広間で顔合わせをしたときのことだったと思う。
「そうだね……どうかした?」
鯰尾「主と話してからちょっとして……石切丸さんから主が倒れたって聞かされたとき、たまたま近くにいたんですが、その少し前にすっごく甘い匂いがしていたんですよね」
「甘い、匂い……」
私が倒れたって多分……あの二人といたときだ。
甘い匂いか……どこかでお香でも焚いていたのだろうか。