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交わりの祠【R18】

第10章 病に勝つのは






日が暮れ、夜が訪れる



八千代が戻ってくる気配は無く、久しぶりにひとりぼっちの夕御飯を取ることになった


いつもは美味しいご飯も何だか味気ない


食が進まず心配する桜に声をかけられ、鈴音は何とか全てを食べきる



その後も一人で本を読んでいると、集中できない


顔を上げれば空には月がポツンと浮かんでいた



「もう寝よう…」



相変わらず八千代が戻ってくる気配はない


何だか忙しそうだったため、待っていても遅くなる可能性がある



布団に潜り込むと目を閉じる


やけに布団がひんやりしている気がした


季節はもうすぐ初夏を迎えるというのに、何だか寂しくて落ち込んでしまう



八千代はいつも忙しそうだが、鈴音のために時間をたくさん作ってくれていた



…今まで甘えすぎてたのかな



寂しくてもわがままは言えない


本土の調査も大事だし、人が多く死ぬことで受ける影響はかなり大きいのだから


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