第8章 壱点ロ 囲碁〜信長〜
「信長様……これは、囲碁ですか?」
「ほう。貴様やったことがあるのか?」
と私は、囲碁を挟んで信長様を正面に座る。
「ええ。叔母から教わっていましたから。」
どうやら、信長様は黒であった。
私は、始めますね、と言って石を置く。
パチ
パチ
石を置くときに鳴る、この音が私は好きだ。
「信長様。勝手に囲碁を始めてしまいましたが、何か用でもあったのですか?」
パチン!
石が静寂のこの部屋に鳴り響く。
「貴様は、どこから来たかを聞きたいのだ。」
「どこからですか……。」
私は、信じてくれない下でポツリポツリ話していった。