第7章 壱点イ 天使と悪魔〜三成〜
夢を見ていた。
それは、小さい時の私と一つ下の妹の夢であった。
『へえ。その子達がピアニスト。この幼さで……。』
『ええ。ほら、挨拶しなさい。』
『こんにちは……。』
小さい時の私と妹は、父親の後ろに隠れて挨拶をしていた。
その挨拶した人の後ろに違う人がいたからだ。
後ろにいた子が顔を出した。
その顔は、まるで私の鏡写しの男の子が立っていた。
『ほら、ーー。挨拶を。』
その子の父親が言う。
『こんにちは。』
素っ気なくその子は言った。
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「咲良様、咲良様。」
三成くんが起こしてくれた。
「おはよう〜。三成くん。」
「おはようございます、さあ夕餉に行きましょう。」