第45章 二嬰へイ 戦(4)
「他の敵がいる。」
謙信様が静かに言った。
やっぱり、2回目の音は謙信様たちのところだったんだ……。
じゃあ、3回目の音は何処なの?
もしかして……
とその時であった。
「謙信様!!織田から文が!!!」
「かせ。」
と謙信様は家臣から文を取ると、目が縦から下へと素早く動く。
読み終わると、くしゃりと文を握りつぶす。
「どしたんだ、謙信?そんな怖い顔して。」
と信玄様が聞く。
「多分、僕の予想だと……同盟かな?一時期の、ね?」
「義元、これを知ってたな。」
「なんのことかな?」
ととぼける。
「咲良。」
「は、はい!!」
私はなぜかピシンッと背筋を伸ばす。