第5章 恋愛と戦争では手段を選ばない
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『ねぇ勝己くん、腕痛いよ・・・』
「・・・・・」
『ね、もう家近いし・・
この辺で大丈夫だから。』
「今からお前ん家行く。」
『えぇ・・・』
学校を出てからずっと、
腕を掴んだまま離してくれない勝己くん。
やっぱり、怒ってるよね・・
さっきお兄ちゃんに抱きついてたのも
(私はともかく)お兄ちゃんに変な気はないし
ただの"兄妹として"の再会の喜びでしたことだ。
それでも、何故かお兄ちゃんのことが
気に入らない勝己くんにとっては
嫌なことだった、のかなぁ・・と思う。
そんな会話もなく、
私の住むアパートに辿り着いた。
『ええと、着いたけど・・
ホントに上がってくの?』
「たりめーだろが。」
こっちの事情お構い無しというか・・
もっとちゃんと綺麗にしとけば良かったなとか
思いながら勝己くんを部屋に招き入れた。
『・・・・・』
「・・・・・」
一人暮らしの狭い部屋に、
とりあえず2人で向かい合って
座ってみるも、無言が続く。
さっきのことを誤解ないよう
私が謝ろうとすると、
勝己くんが先に口を開いた。
「・・お前、デクのこと好きなんか。」
『・・・へ?』
私が考えてたことと全く違う話題で、
思わず間抜けな声を出してしまった。