爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇
第5章 悪意 中國山地
薄暗い寝室の壁に、二つの人影がロウソクの傾きに沿って揺れ映っていた。
「久し振り」
一人は煙草を灰皿に押し付けて、スクッと立ち上がった。
「ああ、何年振りかな」
もう一人は背もたれの長い、古びた木製の椅子に腰掛けたまま、顔を上げて対面する者を見詰めている。
「正直、長過ぎた。例え、あの日より一年しか経っておらなんだとしても、私には半世紀ばかりの様に感じられたよ」
立ち上がったと共に椅子へ向けて歩み、椅子の前で立ち止まった。
「私も、君を待っていたよ。…会いたかった、ずっと」
膝を付けそうなほどに屈める相手の顔を見詰めて、感涙は彼の自制を堪えきれなかった。
「勿論だとも! この日を、この瞬間を、待っていたのだから!」
椅子すらも包むように、煙草救済体を寄せて抱擁せざるを得なかった。
離別の間に積み重ねられた想いは、只管(ひたすら)に相手を抱き締める力となった。その感激は、他所者(よそもの)の思い及ぶ限りではない。
椅子より相手を抱き締めながら、涙声を耳元に掛けた。
「友よ…、我が朋友よ…」
戦友はこうして再会した。