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爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇

第2章 屋代島攻防戦


 麓とは異なり、山間の道は静かだ。

 丸めて畳んだ自国の旗を握り締める日本人の将校を護衛するのはアメリカ陸軍の選抜された歩兵小隊とアメリカ海兵隊の複数名の「教官」達だった。

 周防長門地域の支配権を巡る日本帝国と反帝国派軍閥の対立が軍事衝突という形に結実した為に強行された周防大島・屋代島への上陸作戦から一週間が経過し、島へ攻め寄せた日本帝国九州鎮台軍と同盟国アメリカ(America)連邦の在九州駐留軍はいよいよ、寡兵ながらも善戦した軍閥側の周防大島守備隊を追い詰めていた。

 屋代島の役所に立て籠る僅かばかりの兵達を数十倍の兵力で取り巻き降伏を促す一方、両軍は役所近郊の頂海山に逃げ込んだ敗残兵の掃討を開始した。それは、役所に籠り住民を巻き込んで徹底抗戦を訴える守備隊の士気を低下させる為にアメリカ陸軍並びに海兵隊の二個中隊が護衛して帝国旗を掲げるデモンストレーションも兼ねていた。

 しかし、山狩りは麓の攻防戦に比して激しく凄惨な物となった。守備隊が戦前に招き入れていた「助っ人」達はアメリカ軍に激しい敵意を燃やし、一人を殺すのに2、3名の犠牲を強いられてさえいた。そして、何よりも兵士達を恐怖させていたのは、島中を転戦していた守備隊士官長船燎次(ながふね りょうじ)率いる精兵数十人による奇襲攻撃と、士官の狙撃・爆殺、林間に引きずり込んでの殺害や兵隊の拉致と殺害等を繰り返していた謎の兵士であった。執拗にアメリカ軍と、日本帝国でアメリカからの訓練を受けていたエリート士官を狙い、前線指揮に少なくない被害を齎(もたら)した両人の影に怯えながらも、日本帝国軍とアメリカ軍の兵士達は自らがその毒牙に掛かる事がない様に祈りつつ、掃討と行軍を続けていた。

 この護衛にショーン ケリー(Sean Kelly)海兵大尉がいる。
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