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STORY

第1章 Love Triangle



「ねぇ、楽。キミさ、龍のこと好きでしょ」

とある番組の収録のため来ていたTV局での控え室。
今や知らない人はいないスーパーアイドル"TRIGGER"の最年少・九条天が、おもむろに口を開いた。

「・・・っ!?おまっ、何いきなりっ」

問いかけられた同じく"TRIGGER"八乙女楽は、あまりにも唐突なその言葉に動揺を隠せない。

「やっぱり」
「何がやっぱりだ。そりゃ好きじゃなかったら一緒に活動しねぇだろ。それにお前だって好きだろ?」
「好きだよ?けど、ボクの好きと楽の好きは種類が違う。確実に」

表情一つ変えず断言する天。

「・・・種類ってなんだよ」
「ボクの好きは人として。キミの好きは男性として。普通なら男女間で抱く感情だけど、まぁボクは気にしないから」
「・・・いつから気付いてた?」

恐らく天に嘘をついても突き通すのは不可能と判断した楽は、観念したように尋ねる。

「1ヶ月くらい前。多分その頃自分の気持ちに気付いたんじゃないの?」
「はぁ・・・お前には参るわ」
「その頃からIDOLiSH7のマネージャーにちょっかい出さなくなったし、楽は分かりやすい」

"IDOLiSH7"とはTRIGGERの良きライバル。
楽はそのマネージャーを気に入っていた。

「けど、抱かれたい男No.1が同性に恋してるなんて知ったらイメージダウンも良いとこ。ぜっっったいバレないようにしてよね」
「言われなくても分かってるよ」
「で、龍にはいつ言うの?」
「は!?言えるわけねーだろ」
「どうして?」
「どうしてって、お前、男・・・しかもメンバーに恋愛感情持たれてるって知ったらやりずらくなるだろーが」
「へぇ。意外とちゃんと考えてるんだ」

顎に手をかけ不敵な笑みを浮かべる天。

「お前・・・試しただろ」
「えー?なにがー?」
「・・・ったく。このクソガキが」
「ふふ。まっ頑張って」

どこか楽しそうにしている天。
楽は大きな溜息をついた。

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