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【ハイキュー】君じゃなきゃダメな理由【月島目線】

第11章 ヤキモチと本音


そのまま由佳がよろっと立ち上がると

「ごめんね…。あたしの事そこまで嫌ってるなんて…わからなかったから…いっぱい迷惑かけちゃったりしたもんね…。ゲームセンターもブッフェも楽しかった…。ありがとう。今までありがとう。さようなら…月島君…」

そう泣きそうな歪んだ笑顔で僕に手を振ると

走ってもと来た道を戻っていってしまった。

月島って初めて呼ばれた…。

由佳の拒否なのかもしれない。

このまま明日とかになったら

月島って呼ばれるのが普通になりそうで…

それが急に怖くなって

由佳の後を追いかけた。

どこにもいなくて…

そこまで遠くには行ってないとは思うんだけど…。

辺りをキョロキョロ見回すと

少し先に由佳らしき子がベンチに座っている。

近づくと見知らずの男が由佳を引っ張って連れて行こうとしていた。

「由佳!!何してるのさ?!」

由佳がこちらをチラッと見て俯いた。

「何…?月島君…」

とりあえず男から離そうと

腕を引っ張りながら駅の方に歩いて行った。

よく見ると膝と手のひらから血が出ている。

電車にのって

「血止めなきゃね…。」

「大丈夫だから。ポケットティッシュ持ってるから…」

そう言うと由佳は自分の膝にティッシュを張り付けた。

じわーと血がティッシュに広がっていく。

駅に着き、由佳は明らかに遠回りしながら、

僕とは違う方角で帰ろうとしていた。

その腕を引っ張って公園の方へ連れていく。

特になんの抵抗もせずに着いてくる由佳

僕の顔はきっと断頭台に立たされた人のようになっている事だろう。


公園に着き、

由佳がケガしているところを水洗いしようと言って水を出した。

「ありがとう…月島君…」

そう呼ばれる度にもうダメなんだなって気がして…。

洗い終わってティッシュで拭いている由佳

「はなしがしたいんだケド…」

って言う僕を見ずに

「話すことなんてもうないでしょ?月島君の気持ちわかったから…。もう迷惑もかけないし…傍にもよらないよ」

「そうじゃなくて…」


「何が…?もう、帰りたいんだけど…」

そう言って僕を見た由佳の瞳は冷たく光っている。
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