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【ハイキュー】君じゃなきゃダメな理由【月島目線】

第3章 城壁と期待


それから、山口はうるさい位に色々話していた。
ほとんどは放っておいたけれど、山口が僕の話をする時は止める。
でも、山口のおかげで由佳について色々な情報は得ることができた。

駅に着き電車を待っていると来た電車は満員電車だ。
こんな時電車通学は大変だと思う。

駅員にほぼ無理やり押しこめられ、圧迫感を感じながらふと左側を見ると

じっと動かず青い顔をした由佳…。彼女の後ろを見れば男の手が彼女を触っている。

男の手を取って痴漢だと訴えても良かったが、それはそれで女性側も嫌な気分にさせられると聞いた事があるので

由佳の腕を引っ張り自分の前に無理やりねじ込んだ。
痴漢をしていた男を睨みつけると人ごみをかき分けながら離れていった。
「我慢するとかバカなの?早く言いなよ。」
「あ…蛍…ありがとう」
怖かったのか由佳の声は震えていた。
駅から帰路につく僕たちにずっと由佳はついてくる。
不思議に思い事情を聞いたら僕達の通学路の途中にある新しくできたマンションに住んでいると。
それなら仕方ないって自分に言い訳をしながら、由佳と帰る事になった。

「また明日ね!」

由佳は当たり前のようにキラキラした笑顔で言ってくる。

「…またね」
自分が出来る精一杯の言葉。


明日の持ち物の確認をしていると僕のスマホがピコンと鳴った。
メッセージアプリを開くと

《蛍こんばんは(^^)/明日も今日と同じ電車かな??》

明日も僕と一緒に学校に行きたいって事…?
落ち着いて、少し考えて、冷静に冷静に。

《今日と同じ。由佳はマンションの前にいればいいでしょ。そっちの方が確実だし。》

と打った。
《わかった!早めに出てマンション前で待ってるね!》

《了解。》

自分も、もう少し気の利いた文章でも送れればいいんだけど。
なんて自嘲気味に笑った。
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