第6章 森鴎外/学術的興味
「おっと、どうやら気絶しちゃったみたいだね」
ぐったりとした彼女の姿。
初めての子に少しやり過ぎたかな?と多少の罪悪感を覚えた。
「まだ実験が残っているが…壊れてしまってはもとも子もないからね」
彼女の手を拘束していた鎖を外し、赤くなった手首に口付ける。
「居場所なら私が与えよう。だから、死んでもいいなんて言わせないよ。ちゃんと生きてね…?」
それは貴女に言ったのか。
大切な人に言ったのか。
はたまた両方に言ったのか。
森鴎外は嘲笑を溢し、白衣を貴女に着せ自室まで抱き抱えたそうな。
おわり。